Black Sabbath / Heaven And Hell 1980年作品 ①Neon Knights ②Children Of The Sea ③Lady Evil ④Heaven And Hell ⑤Wishing Well ⑥Die Young ⑦Walk Away ⑧Lonely Is The Word G.トニー・アイオミ B.ギーザー・バトラー D.ビル・ワード V.ロニー・ジェイムズ・ディオ K.ジェフ・ニコルス(サポートミュージシャン) |
1978年にレインボーをクビになったロニー・ジェイムズ・ディオはユーライアヒープへの加入を打診されていました。 結局その話は無くなりましたが、実現していたら物凄いバンドになっていた事でしょう。 音楽的相性もピッタリでしょうし、ロニーを含むユーライアヒープが新曲を作ったら物凄い曲が出来たに違いないでしょう。 一方ブラックサバスは、オジー・オズボーンを解雇した後、後任ヴォーカリスト探しが一向に進みませんでした。 この様な時にお互いのタイミングがバッチリ合致したんですね。 タイミングだけでなく、音楽性においてもまさに龍虎相まみえる如しで「ロニーはブラックサバスの音楽に合わない」との周囲の心配を吹き飛ばしてしまいました。 初めてスタジオ入りしたその日のうちに②Children Of The Seaをあっという間に完成させたとの逸話があります。 当時レインボーのファンだった(今もですが)私は、なんか恋人を盗られた感じがして複雑な気持ちでしたが、①ネオンの騎士を聴いてぶっ飛んだのを覚えています。 トニー・アイオミのザクザクと刻むいかにもサバス臭のするリフ、ギーザー・バトラーの重爆撃ベース、ビルワードのスウィングするドラム。 その分厚いグルーヴ感のあるサウンドをバックに冴え渡るロニーの超人的なヴォーカル、ほとばしるエネルギーを抑えきれないという感じです。 「こっちの方が凄いんじゃね?」この時は本当に複雑な思いで、一番好きなレインボーのヴォーカリストを盗られ(たわけではないが)、そのヴォーカリストが入ったブラックサバスが物凄いアルバムを作ってしまい、もしかしたらレインボーより凄いのではないか? しかしレインボーに拘りのある自分は決して認めたくないわけですよ。 でもね、④Heaven And Hell を聴いてひれ伏すしかありませんでした、、、、 重厚で威厳さえ感じさせるリフ、その極上のサウンドに乗ってロニーが歌い出したその瞬間に完全に心を奪われました。 さらにミドルテンポの曲調から後半テンポがグンと上がるドラマティックな展開、最後はアコギで物悲しく余韻を残してフェードアウトしていきます。 ⑥Die Young はマジな話でリッチー・ブラックモアが嫉妬しそうなほど凄いですよね? 完璧すぎてダメ出しするところがありません。ハードロック、ヘヴィメタルの理想形とも言える究極の様式美です。 そして最後は⑧孤独の定め 後味が悪くなるほど強烈に泣きまくって締めくくります。 この曲も重厚なサバスの音楽にロニーの情念を込めたヴォーカルが見事に調和してます。 こういうへヴィなリフでグイグイ押しまくるバラードってあんまり無いですよね? 結果的にこのアルバムは世界的に大ヒットし、ロニー・ジェイムズ・ディオにおいては彼の生涯で最大のヒット作となり、この作品で「知る人ぞ知るロニー」から「世界のロニー・ジェイムズ・ディオ」となった大出世作となりました。 またブラックサバスとしてもロニーが加入したことで、数年に渡る低迷期から脱出し、再びヘヴィメタルの帝王の座に舞い戻る渾身の一枚となりました。 帝王と超人の競演 これを聴かずに死ぬのか? ①ネオンの騎士 https://youtu.be/HF1SEMEp_BY ②Children Of The Sea https://youtu.be/SvqDOwOf8FU ④Heaven And Hell https://youtu.be/AgOMSU8KSBA ⑥Die Young https://youtu.be/Sfe0gKly_Z8 ⑧孤独の定め https://youtu.be/0dPDwgXsnPQ |
Rainbow / Down To Earth 1979年作品 ①All Night Long ②Eyes Of The World ③No Time To Lose ④Makin' Love ⑤Since You Been Gone ⑥Love's No Friend ⑦Danger Zone ⑧Lost In Hollywood G.リッチー・ブラックモア D.コージー・パウエル B.ロジャー・グローバー K.ドン・エイリー V.グラハム・ボネット |
ロニー・ジェイムズ・ディオ脱退後、新体制での通算4枚目のアルバム。 当初の予定では後任ヴォーカリストはイアン・ギランになるはずでした。 アメリカでの成功を狙うリッチーはなにを血迷ったか、ロニーをクビにしたあと、あろうことかプロデューサーにディープパープル時代のベーシストであるロジャー・グローバーを招聘。(ロジャーもクビにされた経緯があるのに滅茶苦茶な人間関係ですな) そのままプロデューサー兼ベーシストとなり、さらに犬猿の仲のはずのイアン・ギランに加入を打診。 当時Gillanとしてそこそこのヒットをイギリスで飛ばしていたイアンギランはリッチーより格上として扱われていて、レコード会社としてはイアンギランをリーダーとして売り出す腹積もりだったようです。( Ian Gillan's Rainbow !? ) そんな事をリッチーが納得するわけが無く、当然交渉は破談。 その後のオーディションで目に留まったのがグラハムボネットでした。 さすがリッチー、ただでは起きないです。 このグラハムボネット、が鳴り声で声も太い事からあまり気が付きませんが、人間離れした高音を発するバケモノで、もう人間の声じゃありません。 バケモノ度合いではイアンギランやロニーを完全に上回っております。 しかしバラードでは美声でしっかり聴かせてくれますよ。 こんなヴォーカリストを発掘するとはリッチーの眼力はやはり凄いですね。 アルバムの内容は今までのレインボーとは別のバンドと思えるほどの変わりようで、バンドのターニングポイントとも言える問題作です。 リアルタイムで①オールナイトロングを聞いた当時のファンはぶっ飛んだか失望したか、あるいは歓喜に震えたか、複雑だったでしょう。 極め付けは⑤Since You Been Goneで、もうポップスですよ、しかも他人のカヴァー曲。しかしこれが当時のレインボーで最高のヒット曲になってしまいました。(悲 この曲がレインボーの歴史で最高のドラマーであるコージー・パウエルを脱退に導いてしまいます。 ポップ化するレインボーに我慢出来なくなったというのが脱退理由だった様です。 さらにさらに新ヴォーカリストのグラハムもこの1枚だけで脱退! リーゼントをリッチーに辞めろと言われてギターで殴られたとか、色々人間的な相性が悪かった様です。 本人はジェームス・ディーンを意識していたようですが、どう見てもやすし師匠にしかみえないス。 そんな問題作ですが、②Eyes Of The World ⑧Lost In HollyWood はさすがの大傑作で、鳥肌モノのカッコよさです。 ①All Night Long https://youtu.be/EjDTq25XsH8 ⑤Since You Been Gone https://youtu.be/1P17ct4e5OE ⑧Lost In Hollywood https://youtu.be/LN6h01_Skog ②Eyes Of The World https://youtu.be/SlYkSYwDzfU Catch The Rainbow https://youtu.be/y4dHYWMFh70 Will You Still Love Me Tomorrow https://youtu.be/So9f5ZEFDQc?t=3m17s |
Sade - Promise 1985年作品 ①Is It A Crime ②The Sweetest Taboo ③War Of The Hearts ④You're Not The Man ⑤Jezebel ⑥Mr Wrong ⑦Punch Drunk ⑧Never As Good As The First Time ⑨Fear ⑩Tar Baby ⑪Maureen シャーデー・アデュ V. スチュアート・マチューマン Sax & G. アンドリュー・ヘイル K. ポール・スペンサー・デンマン B. |
これはヤバいアルバムですよ。 以前シャーデーのアルバムで最も評価の高いサードアルバムを取り上げましたが、インパクトはこのセカンドアルバムの方が遥かに上です。 ①Is It A Crimeを当時ベストヒットUSAで初めて聴いたんですが、シャーデー・アデュのディープな声と、妖艶で怪しげな風貌にヤラれました。 当時彼女は25~26歳でしたがあのムードがよく出せたものですね、信じられません。 ①の最後の「 tell me is it a crime 」と情念を込めた歌唱はもうトラウマになるレベルです。 なんでこんな音楽を当時ピチピチのときめく10代の僕がw好きになったのか思い出せません。 超人的な声量や声域で押してくるタイプじゃないんですけど、強烈な個性と、まさにタブー的?なムードが聴く者を引きずり込むんでしょうね。 ※猛毒注意 ② The Sweetest Taboo [ Live ] https://youtu.be/dqo2DxUBb-o ① Is It A Crime https://youtu.be/NYz8xs163YU ⑤ Jezebel https://youtu.be/rcfaCT8FR7U ⑨ Fear https://youtu.be/lS30cmR6LHM ① Is It A Crime [ Live ] https://youtu.be/J2C96ybYWJ8 |
Rainbow - Long Live Rock'n Roll 1978年作品 ①Long Live Rock 'N' Roll ②Lady Of The Lake ③L.A. Connection ④Gates Of Babylon ⑤Kill The King ⑥The Shed (Subtle) ⑦Sensitive To Light ⑧Rainbow Eyes G.リッチー・ブラックモア V.ロニー・ジェイムズ・ディオ D.コージー・パウエル B.ボブ・デイズリー K.デヴィッド・ストーン |
レインボーの最高傑作、いや、ロックの最高傑作と言っても過言では無い、名作中の名作。 いきなり①Long Live Rock'n Rollの異常なまでのノリ! この時代のレインボーはホントに最強ですね。 ②Lady Of The Lakeはイチオシの美しさです。 へヴィな演奏に美しいメロディが乗る、たまらない名曲です。 この曲を聴いたらハードロックに対する先入観も吹き飛んでしまうでしょう。 ④バビロンの城門 恐ろしい程の完成度、恐ろしいまでの壮大なスケール、恐ろしい程劇的なギターソロ。 ロック史上最高の名曲と言っても過言では無いです。 ⑤Kill The King ④バビロンの城門と双璧をなす、レインボーの最高到達点。 リッチー、ロニー、コージーが揃わなければ決して生み出されなかった奇跡の名曲、そして奇跡の演奏。 殺気さえ感じる程のリッチーのギター、鬼の如きコージーのツーバス、超人的なロニーのヴォーカル。 この曲を聴いて、一体どれだけの少年がロックを志したでしょうか? ギタリストはリッチー・ブラックモアを目指し、ドラマーはコージー・パウエルを、ヴォーカリストはロニー・ジェイムズ・ディオを目指しました。 そして最後を飾る⑧Rainbow Eyes 美し過ぎる名曲中の名曲。 まるでカーペンターズの様です。 リッチーとロニーの懐の深さにヤラレちゃいますね。 しかしながら何とこのアルバムを最後にロニー・ジェイムズ・ディオが脱退、正確にはクビになり最強トリオは崩壊してしまいます。 信じられないですよね、しかもロニー解雇をリッチーに進言したのはコージーだったそうです。 レインボーはこの当時アメリカ市場を意識しており、ロニーの声と歌唱法ではアメリカ人にはウケないだろうと言うのが理由だったそうです。 アメリカなんかどうでもいいでしょ! このメンバーで続けて欲しかったですよね。 この後アメリカを意識したポップな曲が増えていきますが、ファンの心をとらえて離さないのは間違い無くこの時代のレインボーと言えるでしょう。 ⑤ Kill The King https://youtu.be/zEaxow3PoO0 ① Long Live Rock'n Roll https://youtu.be/sLN8lHBBKck ④ バビロンの城門 https://youtu.be/7AGzNGMUXR4 |
Anita Baker - Compositions 1990年作品 ①Talk To Me ②Perfect Love Affair ③Whatever It Takes ④Soul Inspiration ⑤Lonely ⑥No One To Blame ⑦More Than You Know ⑧Love You To The Letter ⑨Fairy Tales |
偉大な女性ヴォーカリストのアニタ・ベイカーが自身のTwitterで引退を示唆したそうです。 残念ですねぇ。 59歳になり声の衰えを感じたのでしょうか? 最近の活動は知りませんが、引退するなんてもったいないですね。 声量で勝負しているタイプじゃないし、年齢に関係なく活躍できると思うんですがどうでしょう? 本作[ Compositions ]は傑作です。 特にラスト⑨は後半の長いピアノソロがカッコいいです。 ① Talk To Me https://youtu.be/YZNBY_W3ZSM ⑤ Lonely https://youtu.be/MnWS5ifBqTg ⑧ Love You To The Letter https://youtu.be/8Z34d3HhQQs ⑨ Fairy Tales https://youtu.be/A7vrDThlryU |